マイクロ法人に関して、これまでpeingでいただいたご質問とその回答をまとめたページです。
はるかぜは士業ではありませんので、自身の体験をもとに回答しております。あくまで参考とされてください。
これまでのマイクロ法人に関するまとめ記事はこちら!
質問解答集
これまでpeing(質問箱)でたくさんの方からご質問をいただきました。
その中から、多くの方の参考になるのではないかと思うものを選んで掲載します!
扶養について
【結論】妻を扶養に入れたいなら、『被扶養者(異動)届 第3号被保険者関係届』の夫の収入の欄の金額は、妻の収入の2倍以上の金額を書けばOKです。
社会保険加入で奥様を扶養に入れる場合には、下の書類を提出します。 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/hihokensha/20141224.files/01.pdf
この書類の
A. 被保険者欄=ご主人
B. 配偶者である被保険者欄=奥様
それぞれに「収入(年収)」という欄があります。
Aの収入とBの収入を比較したときに、 「Aの収入=Bの収入の2倍以上」 になっていないと、奥様を扶養に入れられないという説明を受けました。
はるかぜの場合、 Aの収入=200万円 Bの収入=84万円(青色専従者給与が月7万円なので) と書き、無事妻を扶養に入れることができました。
ちなみに、法人の給与を月5万円にした場合は年収が60万円にしかなりませんが、「残りの140万円は別の個人事業の仕事で収入があります」と窓口で説明したらOKでした。
【結論】 奥さんを個人の専従者にしたままで社会保険の扶養に入ることができます。
はるかぜは実際に妻を個人事業主の専従者のままで、マイクロ法人の社会保険の扶養に入れています。
その際、1点注意があります。
ご質問者様の年間の所得が、奥様の収入の2倍以上になっていることが必要です。
奥様の年間のお給料が96万円ということですが、質問者様が確定申告をされる際の収入(事業所得+マイクロ法人からの給与)が192万円以上でないと扶養に入れられません。
実際に社会保険に加入する際は見込みの金額でよかったのですが、その次の確定申告ではこのラインを超えておくことをおすすめします。
社会保険に加入する際には社会保険事務所で手続きをしますが、はるかぜの地元の社会保険事務所ではこのあたりをわりと親切に教えてくださいました。
<続き>
【結論】確定申告書Bであれば、所得金額の12番(合計)の金額でokだと思います。
【結論】 はるかぜであれば「青色専従者」のままにします!
はるかぜは嫁さんを青色専従者のままにしています。
なぜなら、個人事業の売上の方が法人の売上よりだいぶ大きいので、少しでも所得税や住民税を減らしたいからです。
マイクロ法人を設立する理由は、社会保険料削減のためですので、売上が80万円から100万円程度の法人を作り、リベ大の動画にあるような形で給料等を払えば、法人にかかる税金が最低の7万円程度で済みます。
ですから、法人の利益がそんなに残らないのであれば、奥様は青色専従者にしておいた方がいいはずです。
業種について
【結論】 個人→エンジニア 法人→投資 の形でいけると思いますが、投資のための口座は法人口座にしないと認められないはず。
実は、私もこの方法を最初に考えました。
ただ、現在投資しているFXや株の口座を一旦ポジションゼロにして、法人口座に移さないといけません(電話で聞きました)し、当時の私にはちょっとハードルが高く感じてしまったのでやめたという経緯があります。
今考えてみると、チャレンジしてもよかったのかなと思ってはいますけどね。
また、定款を作る際の法人の目的が投資のみだと、なかなか銀行口座が作れないということも聞いたので、そのあたり実際のところどうなのかがちょっと気になるところです。
実際に法人口座で取引をされていてpeingをやってらっしゃる方はいっぱいいると思いますので、是非質問してみてください!
【結論】 重要なのは「別業種」であること。住所が同じであっても特に関係ないはずです。
それぞれの事業について、
・整骨院(個人)
・美容&脱毛(個人)
—
・自然食品や雑貨の販売(ここが微妙)
—
・講演(法人)
・投資(法人)
というイメージでしょうか。
微妙な「自然食品や雑貨の販売」ですが、これをどうするかですよね。
例えば、整骨院に自然食品や雑貨等の商品を陳列して販売していると、やはり個人と法人とで関連性があると言われてしまうのではないでしょうか。
こちらがいくら別業種だと言っても、やはり税務署が認めてくれなかったらダメなわけなので…。
私だったら、自然食品や雑貨に関してはネットのみの販売にすると思います。
整骨院のお客さんにも、興味のある方に宣伝をして、ネットから買ってもらうなどの工夫をすると思います。
ただ、これらについてはやはり最終的な判断としては税理士さんや税務署に確認をするべきです。
もし税理士さんがいなかったとしても、無料相談などを使って判断を仰ぐことを強くお勧めします!
また、住所に関してはそれほど重要ではないと思います。
実際に私の知り合いで、同じ住所でいくつもの会社をやっている人がいますが、いずれも別業種です。
それで通っているので、個人と法人の住所が同じであっても特に問題はないはずです。
これについても、やはり税理士さんや税務署に確認をお願いします。
売上(80万円)について
【結論】売上が低いからといって社会保険に入れないということはない(設立時は売上は予測でしかないので特に問題にはならない)
売上の下限ということですが、法人を作る際にはまったく何も聞かれたりすることはありませんでした。
そもそも会社を作る時にどれくらい売上があがるかわかりませんし。
リベ大の動画では法人の売上が80万円くらいであればちょうどいいという話でしたが、もし売上が30万円しかなければ、50万円の赤字になるというだけです。
最初に入れた資本金が減ってしまうというだけですので、社会保険に入れなくなるといった問題はないと思います!
【結論】 60万円の売り上げだとしても、マイクロ法人を作って社会保険料削減はできると思います(ただし、資本金厚めにしておいた方がいいかも)
60万円の売り上げであれば、リベ大動画を参考にすると
・役員報酬 54万円
・社会保険料(会社負担分)13万円
・法人税 7万円
→合計74万円
の経費となり、1年で14万円の赤字となります。
もし上記以外の経費がかかるのであれば、赤字が大きくなりますね。
(例:経費で10万円かかったら、年間24万円の赤字)
もしはるかぜがご質問者様のお立場であれば、法人設立の際の資本金として少なくとも50万円以上を入れておきます。
法人の記帳をやっていく上で、現金がなくなってしまうと個人事業よりも少し面倒な印象があります。
(個人事業であれば「事業主借」でいけますが、法人だとこれが使えないというのがはるかぜの理解です)
そういった面倒なことが起きないように、設立当初に気持ち多めに資本金をいれておいて(3年分くらいの赤字でも耐えられるくらい?)、2〜3年かけてちょうどいい利益になるように勉強していくと思います!
赤字になったとしても資本金が減るだけなので、別にOKですよね!
しかも翌年以降に赤字を繰り越せるので、2年目以降はもう少し利益が上がっても大丈夫なはずです。
副業が不動産賃貸業ということですから、仕事をもらえるかどうか不定期な私よりも利益の調整がしやすいかもしれませんよね。
というわけで、はるかぜなら
・マイクロ法人設立→する
・資本金→50万円以上は入れておく(100万円くらい?)
・2年目〜3年目で理想の利益になるようにがんばる
という形を取ると思います!
決算や法人の申告、記帳、給与計算等について
【結論】日々の記帳は、個人事業の記帳ができるようであれば問題なさそう。 決算申告は税理士さんに頼むか、法人会・商工会に協力してもらう!
私の場合、個人事業を2007年からやっていますので日々の記帳はできます。
ご質問者様がもし私と同様個人事業の日々の記帳をご自分でされているのであれば、特に難しくはないと思います。
ちなみに、私は個人事業も法人も「マネーフォワード クラウド会計」を使っています。
また、法人の決算→申告についてですが、これは私もまだ1期目の申告を経験していないので何とも言えません。
おそらく私は自分では難しいと思うので、個人事業でお世話になっている税理士さんに協力をお願いするつもりです。
マイクロ法人ということで売り上げも少なく、「個人事業の申告と一緒にやってあげるよ」と言われました(ラッキーです)。
また、税理士さんが費用的に厳しいのであれば、自分でやることも不可能ではないと思います(ソフト使えば)。
また、あっているかどうか不安な場合は税務署に聞けば教えてくれますし、地域の「法人会」や「商工会」などに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
申告の相談に乗ってくれるはずです!
もし私がご質問者様の立場であれば、まずは地域の法人会や商工会に問い合わせて、
・法人の決算書、申告書についての質問や相談ができるか
・日々の記帳について、不安なことがあったら教えてもらえるか(基本はググるけど)
の2点を聞きます。
【結論】 社会保険料は天引きする前の54万円(月4.5万円)で計算するので、これ以上役員報酬を上げると社会保険料が上がります(たぶん)。
ご質問いただいた「給与所得控除の対象額」というのがちょっと私の理解不足で、質問者様の意図を汲み取れているかわかりませんが…
マイクロ法人は「社会保険料」と「所得税」をできる限り安くすることを目的としているので、それぞれが最低ラインに収まるようにすればいいわけですよね。
社会保険料は「標準報酬月額」によって金額が決まりますが、これは基本給以外にも定期的に支払われる交通費(通勤手当)や時間外手当など、会社から受け取る労働の対価となるもの全てが計算に含まれます。
ですから、社会保険料の自己負担分を天引きする前の金額で計算します。
役員報酬を月4.5万円以上にすると社会保険料が上がってしまいます。
住所について
【結論】個人事業の住所と法人の住所は分ける必要はありません。
個人事業の住所と法人の住所は分けないといけないという決まりはないはずですから、どちらも同一の住所でOKです。
私がなぜ法人の住所を自宅にしたくなかったのかというと、現在の自宅が「賃貸」だからです。
賃貸だと、今後引っ越しをする可能性がありますよね。
その場合、法人の住所変更をしなければならないわけですが、その際またお金がかかってしまいます。
ですので、引っ越しをする可能性が低い場所で登記をすることをお勧めします。
サラリーマンはメリットある?
【結論】
・社会保険料…メリットなし
・所得税や住民税…稼ぐ額による
・経費…投資のみの会社だとあまりメリットないかも
◯社会保険
はるかぜがマイクロ法人を作った最大の理由は、個人事業主が負担する「国民健康保険・国民年金」が高すぎるからです。
質問者様はサラリーマンでらっしゃるとのことですので、会社で社会保険に加入されているのではないかと思います。
社会保険はご存知の通り、「会社のお給料」で計算されるので、副業でいくら稼いでいても金額は変わりません。
個人事業主でも会社を作ったとしても、社会保険料は変わらないので、この点ではメリットはないと言えると思います。
◯所得税や住民税
これは稼ぐ額によると思いますが、サラリーマンの給料よりもたくさん稼ぐのであれば、法人にしてもいいかもしれません。
そうでないのであれば、おそらくマイクロ法人にかかる法人税(最低でもおよそ7万円)の負担の方が大きくなってしまうのではないかと思います。
◯経費
個人事業と法人とでは経費にできる部分が違う!と言いますが、正直あまりその違いを感じることができないのでは?と思います。
なぜなら、FXや株式だと、他業種に比べて経費が圧倒的にかからない(経費にできるものが少ない)からです。
この点は2点目の「所得税や住民税」ともかかわる部分ではありますが、税務署に認めてもらえるような経費があまりないのであれば、マイクロ法人を作るメリットもほぼないのではないでしょうか。
◯補足
FXや株式投資をするうえで「法人口座」で取引したいというお考えがあるかもしれませんね。
もしそうであれば、合同会社は割と簡単なのでオススメできます。
ただ、私が銀行口座を作った際に聞いた話なのですが、事業内容が投資のみだとなかなか銀行口座が作れないんだそうです。
一昔前はそんなことはなかったそうなのですが、最近は銀行口座の悪用などの防止のため割と厳しいというお話しでした。
FXなどの法人口座を使うために会社を作るのであれば、定款に書く「事業内容」についてはよくお調べになった方がいいかと思います!
例えば、法人口座での運用をスタートさせたばかりの人のブログなどがあれば質問してみるのが一番早いのではないかと思います。
以上まとめますと、私が考えうる範囲では、サラリーマンがマイクロ法人を作る積極的な理由が見つかりませんでした。
ただ、FXや株式投資を法人口座で運用したいということが第一の目的なのであれば、法人を作るしかないです。
その際、「事業内容」について投資目的だけで大丈夫かどうかをぜひお調べになってください!
将来の年金額について
【結論】 国民年金のみの受給額と、途中で厚生年金に変わった場合でシミュレーションするのは簡単なはず!
国民年金のみの場合
https://www.nenkin.go.jp/n_net/n_net/easyestimate.html
国民年金→厚生年金に途中加入した場合
https://www.psrn.jp/tool/nenkin_sj.php
こちらの2つのシミュレーションサイトで、これまでのご自身の加入状況を入れるとすぐにわかると思います。
これまでの加入・納付状況によって受け取れる年金の額は変わりますから(国民年金のみの場合でも)、まずは年金手帳を手元にねんきんネットに新規登録、ログインしてみることをお勧めします。
現在の状況と、今後ずっと国民年金だった場合はどうなるかをもとに、厚生年金に途中加入したらどうなるかをシミュレーションしてみてください。
ちなみに、はるかぜの場合はそもそも将来の年金にあまり期待していないという部分が大きいですが…w
節税について
【結論】中小機構に質問してみました。
・経営セーフティ共済→個人も法人もそれぞれ加入できる。
・小規模企業共済→個人と法人のうちどちらか主とするほうでしか入れない。
ブログに追記しました! https://harukazefx.com/archives/3963
文美国保vsマイクロ法人
【結論】単身か家族持ちかでも変わってきますが、文美国保よりもマイクロ法人の方がお得かも。
そこそこの所得があって文美国保に入っているフリーランスの方は、国民健康保険よりもお得になるというのはよく知られた話ですよね。
私は要件を満たさないので入れませんでした…。
https://webist-cri.com/article/detail/4757#i2
こちらの記事を参考にした場合、文美国保の保険料は
・単身 247,200円(年額)
・夫婦2人 370,800円(年額)
マイクロ法人の場合(はるかぜの例)は、
・夫婦2人 68,976円(年額)
これに法人税最低7万円を加えても14万円くらいにしかなりませんので、健康保険ということだけを考えるとマイクロ法人の方がお得かもしれません。
また、年金については
・単身 国保(年額約20万円)≒厚生年金(年額約19万円)
・夫婦 国保(年額約40万円)>厚生年金(配偶者が扶養の場合は年額約19万円)
となります。
ですので、もし扶養家族がいるのであればやはりマイクロ法人の方がお得になる計算になります。
社会保険料の安さを取るか、手続きや申告の煩雑さを取るかといったところですね!
友人と一緒にマイクロ法人設立
【結論】 2人でマイクロ法人設立することももちろんできますが、私だったらやりません。
この「2人」というのは、配偶者ではなく友人等だと仮定して話を進めます。
【理由】
・給与計算や事務手続きが、1人の時より必ず面倒になる。
・どちらかの状況が変わったときに対応が難しい。
・つまり、どこかでモメる(モメるまではなくても、負担がどちらかにかかったりすると面倒)
私はるかぜは合同会社以外に個人事業をメインでやっていますが、個人事業では正社員・アルバイトを含め現在8人を常時雇用しています。
人を雇うとなると、事務手続き等がかなり大きくなりますし、それ以上に精神的負担が大きいです。
もし2人で合同会社を設立するとなると、給与や社会保険、税金についての手続きや日々の管理はどちらか1人がやることになると思うのですが、きっと負担が大きくなります。
ですので、もし2人で会社をやるのであれば、社会保険削減を目的とする「マイクロ法人」ではなく、普通の会社を経営する気持ちでされたほうがいいのではないかと思います。
あるいは、お二人それぞれが合同会社を設立した方が、余計な心配をする必要がないのではないかな…というのが私の考えです。
たくさんのご質問に感謝
上記以外にも具体的なご質問をたくさんいただきました(具体的な売上の金額等の記載があるものなどは掲載しませんでした)。
同じ自営業仲間として、やはり国保や国民年金は大きな悩みの種なんだということがよくわかりました。
はるかぜは今月(2021年9月)に、マイクロ法人として初めての「決算」を迎えます!
案外売上が上がってしまい、法人税・法人住民税が上がりすぎないように経費(損金)として買えるものを買ったり、新調したりしているところです。
2期目に向けては、講演の移動に必要な自動車を法人名義で買うことにし、すでに契約を済ませました。
ただ、納車されないと経費として落ちないので、減価償却できるのは今年の冬になりそうです…。
マイクロ法人については今後も自営業・フリーランスの方、あるいは独立を計画されている方からのご質問お待ちしております。
はるかぜの経験でお答えできる部分に限られてしまいますが、お力になれることであればアドバイスしたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!